ヴァンパイア王子~覚醒のblood~
「ヴラド様とは交信の水鏡でやり取りしております。最近は特に頻繁に水鏡を使っているようで、わたくしともよく話をさせていただいております」


「あらそうだったの。ヴラドったら私には何にも教えてくれないんだから」


頬を膨らませて怒る真央に、バドは微笑を浮かべると、再び礼をして去っていった。


二人の会話を聞いていた怜央は、もう何がなんだかさっぱりだった。


(親父とも知り合いなのかよ。しかもなんだか昔からの知り合いっぽいし。どうなってんだよ、うちは)



「疲れたでしょう。さ、早く家に入って休むといいわ」


怜央を見て、労わるような優しい声色で真央は言った。


その言葉に、怜央は恐怖すら感じた。


「……知ってるのか? 今日何があったか」


「知らないわよ」


キョトンとした顔で平然と言い放つ。

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