蹴球魂!!!!
大きく吹っ飛んだ唯斗先輩。

それを見た胡桃は、目を大きく見開いて言葉を失っていた。


審判が唯斗先輩に駆け寄る。…大丈夫かな……??


「ま…円ぁ……」

「大丈夫。唯斗先輩なら絶対約束守ってくれるよ!!」


心配そうにあたしの腕を掴んだ胡桃。

胡桃の手のひらから、胡桃の震えが伝わる。不安が伝わる。


唯斗先輩への想いが、伝わる。


しばらくして、唯斗先輩は何事もなかったようにムクッと起き上がった。

「プレー、再開して下さい」

唯斗先輩の目つきが、さらに鋭くなる。…きっと、本気になった。


本物の、本気の表情をしていた。


ーピーッ


試合再開のホイッスルと共に、1人で相手を次々と突破していく唯斗先輩。

そのドリブルは、今まで見た中で、一番速かった。


ーバスッ

超速攻の唯斗先輩のシュートは、GKに触られる事なく、ゴールネットに突き刺さった。


「嘘ぉ…!!」


胡桃が、目に涙を浮かべながらそう呟いた。

唯斗先輩、ハットトリックまであと2点!!…頑張って下さい!!!!


ーピッ ピッ ピーッ


試合終了のホイッスルと共に、唯斗先輩が走ってくる。

その無尽蔵の体力はどこにあるんですか!?笑


「胡桃ちゃん、やったよ☆」

「うぅー…おめでとうございまずぅっ…!!!!」


唯斗先輩は、宣言通りハットトリックを達成して、2年生は3-2で先輩たちの勝利となった。

「1年、次、頼んだぞ!!!!」

「「はい!!!!」」

よーし!!絶・対・勝ぁぁぁつ!!!!!!!!


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