蹴球魂!!!!
あたしがオロオロしていると、ムカつく言葉が前方から飛んできた。


「6回だろ??」


…へ??


「なななな……なんで知ってんのっ!?!?!?」


嘘…最悪。

よりによって、晃汰が知ってたなんて…。


知られたくなかったな…。


「ど、どんまいだよ!!すぐ出来るようになるって☆」

「うん…」

気休めだとしても、今は俊介の言葉が凄く心地いい。

…けど。

「んな、俺らみたいな天才じゃあるまいし。お前じゃすぐには出来ねぇよ」

ーチクッ

「…酷……」


何かが刺さったような痛みがした。

少しだけ出そうになった涙を、必死に堪えた。


「多分お前、選ばれねぇよ」


そう言う晃汰の声は、小さくて弱くて、そして低かった。

あたしは、そんな晃汰の喋り方が、まるで何もかも知っているかのようで、不安になった。


「だ、大丈夫だし!!!!」

だから、強がった。

「はっ…どーだか??」

晃汰のイラつく喋り方、声、言葉……。

すべて見えない振りをした。


自分の殻に閉じこもった。


「ま、もーすぐメンバー発表だし、それでわかるだろ」

余裕そうな晃汰に、あたしは馬鹿みたいに挑む事しか考えなかった。
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