蹴球魂!!!!
ビデオが終わった時、全員が静まりかえっていた。


悔しかった。あたしたちのレベルとは、桁違いだった。

こんな相手に、大輔先輩たちは勝った…んだよね??


「皆、顔上げろ。今からヘコんでどーする??お前らだって、奴らに負けないぐらいの力を持ってる。その力を発揮するために、全力で練習して行こーぜ??」

「「……はいっ!!!!」」


力強い大輔先輩の言葉。

そうだよね。頑張る前に諦めるなんて、そんなのあたしらしくない。


「相手だって、お前らの相手は1年生。力の差なんてねぇ!!つーか、お前らの方が上だ!!!!」

「「絶対勝ぁぁぁつっ!!!!」」


初めての試合。

今までは、その辺で男の子に相手してもらう程度。

正直言うと、ちゃんとユニフォームを着て試合に出た事なんて…1度もない。


「円、ハットトリックな??」

「ダブルハットトリックでもいーよ??」

「んな…3点だって奇跡なのに!!!!ダブルだったら6点でしょ!?どんだけ天才に思われてるの!?!?」

「お前にゃ1点だって取れねぇよ」

「んなっ…!!」

「「まあまあ、落ち着けっての」」


でも、きっと大丈夫。

飛鳥が、俊介が、晃汰が…皆がいるから。


「これから試合まで、めっちゃ頑張ろうね!!!!」

「…当然」


「じゃあ、週末の試合のために、これからの練習を見てスタメン(最初から出る選手)とリザーブ(控えの選手)決めるから!!皆、必死に練習しろよ!!!!」

「「うぃーす!!!!」」


絶対スタメン入りたい。

てゆーか、入ってやるっ!!!!
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