蹴球魂!!!!
「じゃああとでねー♪」

「「じゃ!!」」


あたしたちはそれぞれ、男湯と女湯に分かれて入っていった。


あたしは、もう胡桃がいるんじゃないかって思うと気が気じゃなかった。

どんな顔で胡桃に謝ろう??って、頭の中はそればっかりだった。


だけど…。


あたしの心配も虚しく、脱衣所にもお風呂場にも、胡桃の影は見当たらなかった。


ーチャプン…

湯船に浸かると、あたしを中心に波が広がる。


「はぁ…」

だだっ広いお風呂に、あたし1人。


胡桃はまだ来ない。

マネージャーの仕事なのか、避けられてるか…。

って、駄目駄目!!

胡桃は仕事で忙しいの!!!!


自分にそう言い聞かせて、胡桃を少しでも疑った自分自身を責めた。


思えばあたしは、胡桃を疑ってばかりだった。

自分の思い込みをこじつけて、胡桃の言葉を聞こうとしなかった。


あぁ、最低。


ーブクブク ブクブク…


湯船に顔を半分まで沈めて、口から空気を出す。

それは水面で儚く消えて、後には小さな波だけが残った。


「…のぼせるかもなぁ」


そんな呟きが、寂しくお風呂でこだました。
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