蹴球魂!!!!
「晃ちーん♪」

「キモい。暑苦しい。くっつくな」

「えー??そういう事言わずにっ♪」


俊介が合流して、一気に騒がしくなったあたしたち。


「だぁー!!!!ったく!!!!」


急に晃汰が大声を出したかと思ったら、次の瞬間、晃汰は俊介の頭を鷲掴みして、無理矢理引き剥がそうとしていた。

…お疲れ様です。



「あ、そういえば…」

「「んあ??」」

「俊介って、なんでGKやろうって思ったの??」


GKは、凄いプレッシャーがかかるのに、対して注目されないポジション。

しかも俊介は、GKにしては小さい。


プロのJリーグなんかは、GKのほとんどが190cm前後の長身の持ち主。

それが当たり前で、その方が有利だもん。

なのに、なんで俊介はGKをやってみようって思ったんだろう??


「俺ね、双子の片割れなんだー」

「「……!?」」


サラッと、あたかも当たり前のように言った俊介。

その言葉に、あたしと晃汰は目を見開いた。


「だから、産まれた時は超未熟児でさ」

「「……。」」


何故か切なげにそう言った俊介に、あたしたちは声を失った。


「もう1人…妹で、柚梨っつーんだけど…めっちゃかわいかったんだ」


田原 柚梨(タハラ ユリ)。

“かわいかった”って…どうして過去形??
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