蹴球魂!!!!
「FW集合ー!!!!」

「は、はいっ」

「ほれ、暴れてこい!!」

「ん…。行ってきます!!!!」


怖いけど、不安だけど、跳ね除けなきゃ!!

ウジウジしてても仕方ない!!


楠木 円、暴れます!!!!


「今日は、ペア作って、ワン・ツーの練習から始める」

「「はい!!」」


3年生のFWの先輩が、練習の指示を出す。

いつも通りの練習メニュー。

いつもと違うのは、先輩たちの手に握られたペンとメモ用紙。


また、ドクンと心臓が跳ねて、全身をめぐる血が速さを増した気がした。


…始まるんだ、国立への勝負が。


「円っ!!」

「佐伯くんっ!!」


あたしはペアの佐伯くんと、ワン・ツーパス(1度されたパスを、同じ相手にパスする動き)の練習に取り掛かった。


少しだけ、強く返ってくるそのパスは、佐伯くんの緊張がありありと伝わってきた。

佐伯くんも、あたしも、他の皆も…緊張してるんだ。


「一旦止めて、集合!!」

「「はい!!!!」」


3年生の先輩の声に、動きまわっていたボールたちがピタッと止まった。


「次、FK(フリーキック)の練習!!」

「「はい!!!!」」

「壁とGKは俺らでやるから、お前らは集中して蹴れよ!!」


FK(ファールなどがあった時に、その位置からシュートを打つ事)かぁ…。

どうやって蹴ろう??
< 274 / 394 >

この作品をシェア

pagetop