蹴球魂!!!!
「え…??」


そう声を漏らして頭を上げると、そこにはニッコリと笑ってボールを持った、GKの先輩がいた。


「俺、負けず嫌いな性格だから、本当はさっきのシュート認めたくないんだけど…。さすがに完敗。あんなの打ってくるとは思わなかったよ」

「せ、先輩…」


ドクンと波打つ脈。

先輩が、認めてくれた。


「ほら、他の奴らも円ちゃんに続けー!!」

「「え、あ…はいっ!!!!」」


3年生の先輩たちの言葉に、ボーッとしていた他のFWたちが慌て出す。


あたしが汗を拭こうとタオルを取りにいくと、天使に抱きつかれた。


「円ぁっ!!なんかよくわかんなかったけど、凄かったよー!!かっこよかった!!!!」

「あ、ありがと…。胡桃もかわいいよ」

「嬉しいけど、今言われても…」


ここ、天国ですか??って聞きたくなるぐらいのかわいい笑顔で、まるで自分の事のように大喜びしてくれる胡桃。


あたし、いい親友を持ったなぁ…!!


「あ!!見て見てっ!!唯斗がシュート決めたよ!!!!かっこいいー!!!!」

胡桃が興奮したように足をバタつかせて、あたしの肩を叩く。

「唯斗先輩は、決まりだと思うよ♪」

「本当!?それ、本当っ!?」

「うん。今まで結果も残してるし、FWの中でも秀でて上手いもん」

「まぁ…唯斗だもんねっ♪」

「…バカップル」


キャーキャーと騒ぎながら頬を赤く染めて、唯斗先輩に熱い視線を送る胡桃。

その胡桃に気付いたのか、唯斗先輩が練習着の裾で汗を拭いながら手を振っていた。


本当にお熱いよなぁ、この2人!!


「円ちゃーん!!」

「あ、はいっ!!!!」
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