蹴球魂!!!!
もちろん、飛鳥や俊介にはスタメン入りしてほしいけど!!


「おい、飛鳥。あんまり…」

「平気です。大輔先輩は俺の事とか気にせずプレーしてください」

「だけどさ…」


向こうの方で、飛鳥と大輔先輩が何か言い合ってる。

“あんまり”って、どういう事…??


「飛鳥、どうしたの??」


大輔先輩が飛鳥の元を離れたから、その隙に飛鳥に声をかけた。


「何かって??」

「だって…さっき大輔先輩と何か言い合ってたよね??」

「あぁ、あれ??…あれは…何でもないから。心配すんな??」

「う、ん……」


今の妙な間は、何??

やっぱり何か隠してるんじゃないの??


…そうは思うけど……。


「ほら!!白チームのタイム終わったぞ!!!!早く前行けっ」

「あ、は、はいっ!!」

「くはっ…なんで敬語!?」


こんな屈託ない笑顔の飛鳥に、そんな事…聞ける??

…あたしにはそんな勇気、ないよ。


飛鳥の笑顔、壊したくない。

決してそれが、偽物の笑顔だとしても…あたしに壊す権利は……ない。


「慎重に攻めていくぞー!!!!」

「「おう!!!!」」


ピッチに響くのは、紅チーム司令塔(指示を出す人)の飛鳥の声。


あたしは痛む胸を押さえて、スゥッと息を吸った。
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