蹴球魂!!!!
いつも晃汰は、あたしの事を“お前”としか呼ばなかった。

別に気にならなかったし、晃汰には名前で呼ばれなくてもいいや、って思ってた。


「本当、今回はお前の事…認めるよ」

「う、うん…」

「正直、お前があんなに根性ある奴だとは思ってなかった」


いつもは口数少なくて、無愛想で、冷徹な晃汰が…


やけに優しくて。


ードキン ドキン…

あたしの心臓は、おかしいぐらいに高鳴っていた。


なんか…あたしも、変だ。


何故だかわかんないけど、体が熱くなる。

心臓が、ドキドキ言って止まらない。

晃汰の何気ない言葉に、いちいち反応してしまうあたしがいる…。


この変な感情は…何??


「あ、駅着いた」

「ん…俺、家まで送ってく」

「え!?いいよいいよ!!」

「だけど…足…腫れまくってんじゃん」

「ううん、本当に大丈夫っ!!この後、直接病院行くし♪」

「わかった。今日は…マジ悪かった」

「大丈夫だって!!じゃ、また明日ね!!」

「ん…」


電車から降りた途端、閉まるドア。

結構危なかったんだ…。汗


この変な感情が何なのか、病院で先生に聞いてみようかな…??

ノリいいし、仲いい先生だし。


「うわぁー!!こりゃまた…腫れたねぇー!!!!」
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