蹴球魂!!!!
ーバシュッ


目だけで合図を送った晃汰は、速めのパスを出した。

そのパスは、とにかく重くて…だけど、やっぱり取りやすいパスだった。


ーピピーッ


「作戦成功ーっ☆」

あたしの放ったシュートは、GKの足元を転がって、ゴールラインを割った。

スコアは1-0から2-0に。

「大輔今のオトリよかったんじゃねぇ!?」

「あ、やっぱ??俺ってやっぱり天才!?」

「「いや、誰もそんな事は…」」


でも、確かに大輔先輩のちょっと大袈裟なアピールがあったから、相手DFは大輔先輩に気を取られた。

やっぱり、冗談とか言ってるけど、凄いよね。

唯斗先輩も、もしあたしが外した時のために詰めていてくれたし。


先輩たち、やっぱりかっこいい!!!!


ーピッ ピーッ


前半終了を告げるホイッスルが鳴って、束の間の休憩。

だけどあたしたちはそれどころじゃなかった。


「飛鳥!!動いちゃ駄目!!!!」

「っ!!…冷ぇー!!」

「「我慢しなさい!!!!」」

「…はい」


ベンチに戻ると、胡桃はあらかじめ用意していた氷水で、飛鳥の右足を冷やした。


その間に、後半のためのミーティングが始まる。


「DFは、飛鳥に代わって……」

「ちょっ…部長!!なんで俺が…!!!!」

「なんでも糞もない!!!!飛鳥にはまだ先がある!!!!今無理してどうする!?」

「でも、俺は隣高だけは許せないんです」


飛鳥の力強いまっすぐな、黒い瞳。


「ラスト10分だけ。それ以外の間は胡桃ちゃんたちの処置受けてろ!!!!」

「はい!!!!」


嬉しそうな横顔。

確かに隣高は許せないし、飛鳥とプレー出来るのは嬉しい。

でも…こんなに無理する必要あるの??
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