蹴球魂!!!!
「はい。期末テストは、数学頑張りなさい」

「はい…」


先生に渡された解答用紙を見て、あたしは言葉を失った。


赤い字で、大きく書かれた、30の数字。

「嘘…。追、試……??」

“数学はちょっとアレだけど”


先生…こういう事だったんだね。


って!!!!追試じゃん!!!!!!!!


“ 追試クリア出来ない奴は期末まで部活禁止だから”

大輔先輩の言葉が頭の中をぐるぐる回る。


やばい。本当に本気で、やばい。


「円、どうだったー??」

あたしのテストの酷さを知らない俊介たちが寄ってくる。


出席番号がサッカー部のいつもの3人と胡桃の中で一番早いあたしは、見事に囲まれた。


追試は結構やばいわけで。

しかもよりによって、晃汰に教えてもらった数学が追試なわけで。


…楠木 円、非常ぉーにピンチです!!!!


「鈴木さーん」

「あ、はい!!行ってくるね♪」


胡桃が、タタタッと先生の元へと向かう。

胡桃…今回自信あるんだね…きっと!!羨ましいよーっ!!!!


「円ちん♪何点だったぁー??」

「言わないよっ!!てゆーか、晃汰呼ぶ時みたいに呼ばないでっ!!」

「えぇ??じゃあ…まーちん☆」

「……。」


とにかく俊介は、“〜ちん”って付けたいのね…。
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