例えば私がアリスなら
「あなたはまさか眠りネズミ!?」
「え、何その人。ストーカーなの?」
「違います!!!」
と否定はしたものの、知り合いでもないのに自分達の正体?を知ってるなんて不審だ。
…………いやいやいや、童話のキャラクターですよ?
あっさり肯定する方だっておかしい!
「あなた達……コスプレ中ですか?」
三人は肯定せずに不思議そうに私を見る。
そして口を開いたのは眠りネズミ役の少年。
「それはこっちの台詞なんだけど」
そうだった!
私は負けじと兎だった!
「私は劇の練習です!」
「ここで?すごく目障りなんだけど」
バッサリ言い切られた。
……この少年、多分まだ小学生くらいだけど、大きくなったら絶対第二の月江になる!
思いやりが足りないんだよ!
とは言え、優雅なお茶会を私の登場でぶち壊してしまったのなら、悪いとは思う。
申し訳程度に正座に座り直す。
「いや、まあ申し訳ないです。
でも好きでここに来たわけじゃないし……トイレに落ちたらここにいたというか」
「…………トイレ?」
あ、今とんでもない誤解を受けた。
兎耳の女の子が数歩後退したもん!
「いや!便器に落ちたわけじゃなくて、穴です穴!
白い兎追い掛けてたら穴に落ちたんです!」
そう、まるであのアリスみたいに。
そしてまた沈黙。
でもさっきのソレとは違い、何やら空気が強張ったように居心地悪いものに変わった。
……私、何か変なこと言った?
まあ常識的に考えれば十分変な話だけどさ。
一人状況についていけないでいると、三人はなんともいえない表情で顔を見合わせる。
そして、自称三月兎の女の子が恐る恐るこう尋ねてきたのだった。
「あなた……もしかして、アリス?」