例えば私がアリスなら
「まあ私が兎であろうが何であろうが、その辺はさして問題ではありません。
重要はアリスです!貴女です!」
「問題有りですみませんねえ」
ウサギでストーカーですみません。もうほっといていただきたい……。
今すぐ着ぐるみを脱いでしまえば私も普通の女子高生になれるわけだけど、問題は脱いだ後。
こんなもふもふしたでかい物体を持ち運ぶなんてごめんである。
ちくしょう……月江のヤツ、どこまでもタチの悪い嫌がらせを……
フツフツとこの場にいない諸悪の根源への怒りを沸き立たせていると、目の前にはいつの間にかあの可愛らしい兎耳少女の姿が。
変身なんて非現実的なこと信じられるわけもないけど、目の前でそれをやられてしまったからにはどうしようもない。
リヴさんはそんなことは全く気に留めず、眩しいくらいに瞳を煌めかせながら手を握ってくる。
「さあ!アリスが来てくれましたし、また始まりますね!
よろしくお願いしますね、アリス!」
「すみません真琴っていいます」
さっき嘘ついたからってそんなにズルズル引きずらなくたっていいじゃない!
もう十分反省したよ!!
「はい、マコトさんというんですね。
よろしくお願いします、アリス!」
わかってない絶対!
「ほら、皆さんも気合いを入れましょう!
今度こそきっと大丈夫です!」
私の手を握ったまま一人テンションあげあげなリヴさん。
くるりと観衆三人へ向いてハイテンションを共有しようとする彼女だったが
「………………」
返事はなかった。
三人とも私を見つめたまま黙ったまま。
私、穴が空きそうです。