君のいない教室

「…メール、みら先輩からでしょ？」

「何でわかったの？」

「顔色が変わったから。」


久保田は鋭く突いて来た。


「でも、残念ながら、良い知らせじゃないんだな。」

「え、そうなの？」

「…悪ぃ。俺、帰るわ。…じゃーな。」

「え、ちょ、大蔵！？」


久保田が僕を追いかけようとしたけど、僕は全力疾走した。

誰も追いかけて来れないように、全力で走った。



――家に入ると幸がいた。


「幸、学校は？」

「海っ？あんたこそ、何でこんな所にいんのよ？」

「…逃げてきた。」

「あのさ、ちょっといい？」


幸はそう言って、自分の部屋に僕を連れて行った。


「みらちゃんがね、私に嫉妬してるの。私と海は姉弟なのに。」


…え？

みら先輩が…嫉妬？

嫉妬してたのは、僕の方なのに…？