君のいない教室
第3章「大好きだったよ」
学校へ行って、久しぶりに自ら朝練に参加した。


「あれー!?大蔵じゃんっ!珍しーどうしたの?」

「…色々あって。」

「そっか。」


久保田は、これ以上聞こうとしなかった。

そして、すべてを知っている内野も、何も言おうとしなかった。


ブーッブーッ


「…大蔵じゃない?」

「僕のか。」


僕は、携帯のフタをゆっくり開けた。

受信者はみら先輩だった。


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Re:おはよ!


海君おはよ~っ!
もう起きたかな?私は、今から学校に向かう所です。
そういえば、部活の方はどう??
そろそろ、様子を見に行こうかなって思ってるんだけど…
今日か明日、学校に行ってもいいですか?

返事待ってま~す!

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…何で?

何で敬語なんだよ。

そんなに、堅苦しい仲だったっけ?


…違う。

こんな堅苦しい仲にしたのは、

…幸だよな。


幸…。

僕は、幸という存在を、幸という人間を、恨むよ。




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