いつか、伝えて
キョウヘイを捕まえるのは


一苦労だった。


パンを買うために、


全速力で走っていたのだろう。


レンは息が切れるほど


一生懸命キョウヘイを追いかけた。



「キョウヘイ!!!!」



渡り廊下にさしかかった時、


やっとキョウヘイの姿が見えて、


レンは大きな声で名前を呼んだ。



「ん?」


そう言い、振り返ったキョウヘイは


すぐさま、面倒臭そうな


表情に変わった。


「またお前かよ、だから知らないって。」




「どんだけ記憶力

 ないんじゃぼけー!!!」



「は、何お前。」



口から出た、勢いのいい


言葉とはうらはらに、


レンの目からは涙が溢れた。




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