。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


ぽつりと漏らすと、


「早い話そうゆうことやな。おめぇは結構いい線突くな」と戒が手を戻し、腕を組みちょっと笑った。


な、何か褒められた…?


いつもバカにされてる気がするから、妙に照れくさい。


赤くなった顔を俯かせていると、


「鶴と亀は四神の朱雀と玄武…すなわち方位を示します。つまり南北が滑った」


キョウスケが淡々と説明を加えてくれて、あたしは「ふんふん」ってな具合で頷いた。


「つまりはこの歌は、古い時代の終焉(晩)と、全く新しい時代の夜明けを意味する歌だ。」


戒が会話を締めくくるように言って、何事か考えるように顎に手を置いた。


「そ……そんな意味合いがあったの…?」


「偶然とは思えませんね。この時期に青龍と白虎が盃を交わし、朱雀と玄武の力を抑圧せよと示唆する歌を歌を口ずさむとは…」


「間違いないな…90%以上の確率で関係者だ。その女が敵か味方か…」


戒とキョウスケは二人とも難しい顔をして見合わせている。


「あのぉ…」


あたしはおずおずと手を上げた。


「どした?」戒があたしを見て、キョウスケも無言であたしを見つめてくる。


「……“しさ”ってどーゆう意味??」


あたしの発言に、戒はイタそうに頭を抑え、キョウスケに至っては無言で辞書をあたしに手渡してくれる始末。


え?これで調べろっての??


「お前は!もうちょっと緊張感を持て!このバカ娘!!」


戒の怒鳴り声が響いて、あたしは思わず耳を指栓で塞いだ。







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