。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
かごめの歌!?
◇かごめの歌!?◇
墓参りする前に聞こえた変な音…結局それは数珠の音だったけど、そして墓参り後にもう一度その音が聞こえて、“かごめの歌”が聞こえてきた。
あのとき確か、叔父貴は電話をしてた。
あたしは一人でその気味悪い“かごめの歌”を聞いていると、突如女が背後から現われて首に腕を回された…ってところまで話して、
「ちょお待てや」と戒が口を挟んだ。
「かごめの歌言うたよな」
確認するようにあたしを覗き込み、あたしは「間違いないよ。ちゃんと聞いたもん」と言って、それでも信用を得るために“かごめの歌”を軽く口ずさんだ。
その歌を聴きながら、戒はキョウスケと顔を見合わせた。
「な、なんだよ。ただの童謡だろ?確かに気味悪い歌かもしんねぇけど」
「“かごめの歌”には色々通説がありますが、宗教的な意味合いもあって、特にこの世界では大きな意味を持つ歌なんです」
キョウスケが真面目くさってあたしを見てきた。
「おめぇだってその歌を知ってっけど、親や琢磨さんや組の野郎どもから聞いたわけじゃねぇだろ?」
「……あ、そいやぁそうだな……幼稚園に通ってるとき…何となく友達からとか…」
過去を振り返って、あたしはう゛~ん…と腕を組んだ。
「“かごめ”とは籠の目、三角形を二つ合わせて…キョウスケ、ちょぉお前指貸せ」
戒はキョウスケの手を強引に引っ張ると、畳の上に両手で三角形の形を作らせた。
その反対側から戒が自分の指で象った三角形を重ねる。
見たことのある図形にあたしは思わず声を上げた。
「あ……!占いとかで見たことある!確か…そう…ダビデの星だ」
「逆向きの三角形は“相対するエネルギー”を示し、6つの三角…6と言う数字には“調和と安定”を示す意味があるんです」
キョウスケが顔を上げ、無表情に言う。
哲学的なことはよくわかんねぇけど……
何か……
「青龍と白虎の関係みてぇ」