。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
セーブ!?
◇セーブ!?◇
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次の日。
あたしは戒より早めにバイトを上がった。
ロッカールームで制服から私服に着替え終わったころを見計らって、戒が顔を覗かせたわけだ。
「んじゃな、戒。あたし叔父貴の会社に行って来るよ」
叔父貴には連絡済みだ。
“会って話したいことがある。進路のことなんだけど”ってメール入れたら、すぐに
“今日はいつでも大丈夫だ”と返信がきた。
本気で進路のことを話したいわけじゃないけれど、こうゆうことを言っておかないと、「忙しいんだ」なんて断られそうだったから。
「おぅ。気ぃつけてな。俺もあと一時間で上がるから、その後御園医院に行ってくる」
こっちはアポを入れていない。
病院に居ることは間違いないけど、下手に約束すると勘ぐられるって戒が言ってたから。
もちろんキョウスケも鴇田に会いに行く旨は本人に伝えていない。
『ふいを突くんだ。あいつら三人揃うと厄介だからな』
これが戒の考えた作戦だった。
そして戒はちらりと腕時計に目をやると、
「響輔はもう鴇田ンとこかな?」とちょっと目を細めた。
「ああ、あいつ珍しく自分とこの事務所に居るみてぇだな」
「ま、響輔はああ見えて世渡り上手なタイプだから、あっちは心配ねぇよ」
「あっちは…って!あたしは心配なんかい!どうせ…あたしはヘマしそうですよぉ」と口を尖らすと、
「そう言う意味じゃなくて……」
と、戒は心配そうに……でもどこか切なそうに眉を寄せ、スタッフルームの机に尻をついた。