。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


黄龍を―――襲名―――……


ちょっと待って……、一人は叔父貴でしょ?そして知られてないけれど、もう一人はあたし。


黄龍が戒になったら、あたしは―――?どうなるの?


「そうなったら俺は楽隠居だな」叔父貴はちょっと乾いた声で笑った。


楽隠居―――……


つまり黄龍はあたしと戒―――




どうしてそんなこと……叔父貴はまだ充分に若いし、これからも二人で………


「これはまだ会長と私しか知りません。黄龍襲名につきましては、虎間 戒と鷹雄 響輔以外口外しないよう充分に気をつけてください」


鴇田が淡々と口を挟んだ。


そんな大事なこと軽々しく口外するかよ!って怒鳴りたかったけれど……


よく考えてみれば、盃の件が出たとき―――叔父貴の未来予想図にはすでにこの図が完成していたのかもしれない。


関東と関西。青龍と白虎―――


二つの勢力の結束をより確実に、より固める為―――――


「まぁあいつは頭もいいし、世渡りも上手だ。その辺はうまくやると思うから心配ないが」


叔父貴は余裕の笑みでコーヒーを啜り、隣ではマイペースに鴇田が脚を組んでいる。


あたしは―――


いきなり突きつけられた事実に、動揺を押し隠せなかった。


あたしの知らないところで話はどんどん進んでいる。


あたしたち、あのイチって女のことを話し合ってる場合じゃないんじゃないの!?



「と言う訳で―――二週間後、パーティーに着ていく衣装を揃えに行く。戒にもその日は空けておけと伝えてくれ。戒だけじゃ不安だって言うのなら、パーティーは響輔も参加でいいぞ?


その方がお前にとっては楽しいだろうしな」


そりゃ…キョウスケが居た方が退屈しないだろうし、何より心強い。









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