。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


戒とキョウスケが名刺を覗き込んで顔を合わせる。


「偶然にしちゃできすぎてる。無関係とは言えねぇな」戒は目をしばたたいた。


「じ、じゃぁイチは女優?」


「モデルかも」戒が首を捻る。


「歌手とか?」キョウスケも考え込んだ。



三人同時に「う~~~ん…」と考え込んで、でもあの顔に覚えがなかった。


あたしは割りとテレビとか見るほうだし、流行のドラマとか歌番組とか好きだからあんな美人が居たら覚えてるはずだけど……


でもあたしの記憶にあの顔はなかった。


考え込んでも埒が明かないので、その場は会議を一旦終了。


三人一緒に帰りながら、電車の中であたしは両隣りに座った二人に10月のパーティーのことを説明した。


「キョウスケ、お前も来いよな」


そうゆう派手な場所は嫌がって来なさそうだからダメ元で誘ったけど、キョウスケはちょっと考え込んで、


「分かりました」って答えた。


「え??いいの?」


「まぁ得意ではないですけどね、会長が参加となると鴇田さんも参加するわけだし、それに……」


言いかけて口をつぐんだ。


「素直に言やぁいいじゃねぇか。朔羅のドレス姿が見たいって」


戒が隣で腕を組んで、面白くなさそうに唇を尖らせた。


「え!?ドレス!!?」


「お前何も考えてなかったの?そんな大々的なパーティーなんだから、きれいに着飾るに決まってるじゃねぇか」


か、考えてなかった~~~!!





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