。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


「どうゆう…」つもり!と目の前の龍崎くんに怒鳴り出そうと、立ち上がりかけたとき、


彼の足が横にずれて、あたしの足をもつれさせた。


「キャっ」


思わずテーブルに手を突こうと思った瞬間、龍崎くんの腕が伸びてきた。


テーブルに手を突く前に、龍崎くんがあたしを支えてくれる。


「大丈夫か?」心配そうな声音だけど……


顔には不敵な笑みを浮かべている。


な…なんなの……


「川上こっち来いよ。朔羅が居なくなって寂しいし」


なんて言って手招きしているし。


はぁ??


耳を疑いたくなったけど、龍崎くんはすでにあたしの飲み物を自分の方へ引き寄せている。


再び千里を見下ろしたけど、千里は頭に?マークを浮かべてあたしを見返してきた。


もぉ!ほんっと役に立たないんだから!


それでもどうせすぐに朔羅が帰ってくると思い、あたしはしぶしぶ龍崎くんの隣に移動した。


ちょっと距離をあけて座ると、龍崎くんはあたしの肩に腕を回して、


「もっと近くに来いよ」なんてあたしの耳元で囁く。


低くて甘い声に、思わず顔が熱くなった。


って言うか朔羅が居ないときに、急に何!?まさか龍崎くん、浮気!!?


ドキドキしながらも、龍崎くんは強引にあたしを引き寄せた。


あたしなんかとても適わない力強い腕に、あたしの体はあっさり彼の肩に収まった。





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