。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


「りゅ、龍崎くんて朔羅に一筋だと思った」


さっきはチューまでしてたし、ラブラブな雰囲気だったのに。


がっかりだよ。


そんな思いで俯いていると、龍崎くんはあたしの肩をちょっと自分の方へ引き寄せて、


「響ちゃんのこと好きってマジ?」と耳元で囁くように聞いてきた。


あたしは目を開いて、龍崎くんを見上げる。


龍崎くんはちょっと大きめの目を細めて、唇に淡い笑みを浮かべていた。


な、何を考えてるんだろ……


あたしにはさっぱり分からない。


何て答えるのがベストなんだろう。短い間であれこれ考えたけど、結局、


「ホントだよ」と短く答えていた。


「へぇ、そうなん」龍崎くんはちょっと意味深に笑って、あたしを腕に抱いたまま違う方の手でビールのグラスに手をつける。


「ってか放してくれない?朔羅が戻ってきたら誤解されるじゃない」


ビールを飲んでいた龍崎くんは、グラスを口から離すと、


「すぐには帰ってこねぇよ」


と、ちょっと遠くを見る視線で壁の方を睨んでいた。







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