。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。



「キモ金髪野郎んとこに?」と朔羅が不安そうに目を上げる。


「電話が掛かってきたんですよ。お嬢のことを心配して」


響輔は相変わらず感情のない声で答えたが、それでも朔羅は心配そうに眉を寄せている。


俺は席を立ちあがった。


「トイレいってくる」


朔羅は立ち上がる俺を見上げると、慌てて響輔に視線を戻したようだ。


「キモ金髪野郎、何か言ってなかった?その……お前を脅すようなこと…」


小声で話してるつもりだろうけど、俺の耳にはその声がしっかりと届いた。


「まさか。そこまで命知らずじゃないですよ。逆に応援されましたよ」


と、響輔の声を聞き届けると俺はトイレに入った。


やっぱり響輔、何か言った……ってかやった?んだな…


まぁ朔羅の態度見てりゃ嫌でも気付く。


はぁ


俺は洋式トイレの蓋の上に腰を降ろして、ため息を吐いた。


イーブンで行きたいなんて川上には言ったけど、そんなの強がりだ。


本当は不安でしょうがない。


だけど俺には朔羅の気持ちを信じるしかない。


朔羅も大切だけど、俺には―――響輔も大切だから。




でも―――昨日二人に何かあったことを確信して、思った以上に堪えている俺。



しっかりしろ!



自分に言い聞かせて、俺は立ち上がった。





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