。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
チケット!?
◇ チケット!? ◇
台所で氷枕や体温計を探してると、タクをはじめとする出勤連中たちがぞろぞろと家を出て行った。
マサは昨日から泊り込みで、仕事に明け暮れている。
こんなこと滅多にないけど、寄りによってこんなときになー…なんて思う。
「じゃぁお嬢。後は宜しくお願いします。キョウスケのこと…」とタクが心配そうに二階に視線をやった。
「おぅ。任せときな。おめえらはしっかり励んでこい!」
あたしの返事を聞くと、
「「へい!」」と勢い良くみんな出て行った。
さて氷枕探しを再開させるか…と思ったときだった。
あたしのケータイに電話が鳴った。
リコからだ。
一瞬ドキリとした。リコにはすぐに相談すべきだったけど、きちんとキョウスケに返事をしてそれから全部伝えようと決めてから連絡してない。
「…も、もしもし?」おずおずと電話に出ると、
『あ、朔羅?あたしリコ。ねぇ今日ちょっと会えない?話したいことあるし…』とリコも歯切れが悪い。
何となく気付いてるんだろうな。
今度こそ…友達をやめたくなるかも。
それでもちゃんと話さなきゃ。ちゃんと向き合わなきゃ。
「……うん、あたしも話したいことあったし…。って言ってもあたし今日出かけるのは無理そうなんだ。
キョウスケが熱だしちまって。心配だから今日はここにいるつもり。もし良かったらちょっとうちこない?」
勇気を振り絞って、あたしは思い切って聞いてみた。