。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


戒がチケットをひらひらさせていると、今度はキョウスケの手が伸びてきて、戒の手から、さっとチケットを奪った。


「一枚で二人ご招待って書いてあります。合計四人行けるってことですよね。俺も行きます」


「あぁ!んじゃ、お前川上と一緒に行けよ♪俺、朔羅と行くから~♪ダブルデートしようぜ♪」なんて言って戒が勝手に決め付けてるし。


「残念だけどそれはできないよ。youに会えるよう、直接手配したのは僕だから~。控え室に行きたいでしょう?」


と、タイガが意味深ににやり。


ひ、控え室?


それは行きたい。あのイチって女に―――直接会ってみたい。


ごくりと喉を鳴らして、タイガを見ると、


「じゃぁ決まりだね~♪僕とうさぎちゃん。ヒヨコちゃんとヒツジちゃんの四人で♪」とタイガはご機嫌。


そんな話し合いが決まったとき、


「お嬢、鴇田先生がお見えになりやしたけど」とユズが部屋の前で遠慮がちに声を掛けてきた。


すぐに襖が開いて、ドクター鴇田が入ってくると、ちょっとびっくりしたように目をまばたいた。


「おや?これはこれは、賑やかそうで。だけど変な組み合わせでですねぇ」とタイガを見る。


「やぁ衛♪久しぶりだね」とタイガはにこにこ。


「実に52時間ぶりだ、恵一。元気そうで何より」


52時間…二日と4時間ぶり…(←計算よくできました☆)


ぜんっぜん久しぶりじゃないっつの!


「って言うかどーゆう知り合い!?」あたしが二人を見比べると、


「小学校からの同級生ですよ、お嬢さん。あんまり喚くと血圧上がりますよ?フフッ」


と意味深にドクターは笑い、スタッとキョウスケの布団の脇に座り込む。


同級生…?なるほど、昔っからの腐れ縁ってわけか。


っつてもイヤな組み合わせだなっ!!


ドクターは診療かばんを畳の上に置いてリコを見ると、「おや?」とまたも意味深に笑った。



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