。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
「道端で堂々とイチャつかないでください」
とキョウスケが戒を睨んで、それでも引き剥がしたときにあたしの腕を握った手はそのまま。
「お前もいつまで朔羅の手を握ってンだよ。離れろ」
バチバチっ
あたしを挟んで二人は空中で火花を散らしている。
「フられたヤツは引っ込んでろ」
ちょ、ちょっと戒!!そんなことはっきりと!
「俺は戒さんみたいにこんな道端でキスを迫る野獣じゃないですよ」
きょ、キョウスケ…野獣って…あたしが思ってることをそんなストレートに!?
「「フンッ」」
二人はぷいと顔を逸らすと、それぞれ面白くなさそうに腕を組んだ。
「開き直りやがって。堂々と朔羅に近づく寸法かよ。朔羅は渡さねぇよ」
「近づくなんて心外ですね。獣に襲われそうになってるお嬢を護るのは俺の役目です」
獣…って戒のことだよなぁ。
これは……モテてるって言うの…??
しかもキョウスケ、何か諦めてないっぽいし。
でもでも!今度の花火大会で可愛い浴衣姿のリコを見ればキョウスケの気持ちも変わる筈!
うん!!きっとそうだ!
勝手にそう思いながら、
花火大会、楽しみだな~♪
あたしはまだいがみ合ってる二人を残し、一人鼻歌を歌いながら歩き出した。