。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
神社!?
◇ 神社!? ◇
タクの注意から逸れて、あたしは一人祭りの中をキョロキョロしながら歩く。
確かに感じたんだけど……な。
戒―――…
あたしは胸の辺り…ちょうどタトゥーがある辺りで手を握った。
―――…
いつの間にか、祭りの会場から外の公道に出ていた。
会場は割りと大きな広場に屋台とかが並んでいたけど、花火大会はその奥の川原で打ちあがる。
人の波がぞろぞろと打ちあがる花火に向けて、川原に向っていく。
あたしは人の波を縫って、あいつを探した。
戒に電話をしたけど、すぐに留守電にいっちまったし。
しかも―――姿はおろか、気配までも完全に消えちまった―――
あたしの思い違いか?
なんて思ったけど、キョウスケだって気付いたし、この場所にやっぱり居るに違いない。
けど、何で居るならあたしの前に姿を見せない?
戒―――…バイトじゃなかったのかよ。
さっき一度バイト先のカフェに電話をしてみた。
おネエ店長が電話口に出て、戒が居るか尋ねると、
『龍崎くんなら5時に帰ったわよ?あら、聞いてなかった?…』
なんておネエ店長。
事情を察知して慌てて言葉を呑み込んでいたが、今更口をつぐんだって遅ぇんだよ。
戒―――どうしてあたしに嘘ついたの?
どうして―――
あたしと花火大会なんて来たくなかったのかなぁ……
それならそうと素直に言ってくれればいいのに。