。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。



「泣いてねぇよ」


叔父貴は僅かに苦笑を漏らし、それでもされるがまま大人しくあたしの肩に顎を乗せて目を閉じた。


浴衣の生地を通して、叔父貴の吐息が肌に伝わってくる。


体温とは反対に叔父貴の吐息は熱を含んでいた。




「泣いてるよ。心が―――……」




再びきゅっと叔父貴の首を引き寄せると、叔父貴は喉の奥で小さく声を漏らした。


「詩人だな。お前いつからそんなこと言うようになったんだ」


からかうように言われてあたしは恥ずかしくて顔を熱くしたけど、でも抱きしめた手を離さなかった。




「茶化すなよ。辛いことがあったんだろ?悲しいことがあったんだろ?




あたしには言ってよ。


あたしには本心でぶつかってよ。



受け止められることだったら、受け止めるから―――」



だから一人で抱え込まないで?




あたしたちはたった二人の―――つがいの龍だから。






そう続けたあたしの言葉を聞き終えて、叔父貴はゆっくりとまばたきをした。


あたしの肩先で叔父貴の頭が僅かに動いて、その顔があたしの首元にゆっくりと移動する。


叔父貴の睫が肌を掠めてくすぐったくて僅かに身をよじったが、今度は叔父貴があたしの肩を引き寄せて、



あたしの首筋に唇を寄せてきた。




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