。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。



いつもなら「ライバル出現だっ!!」って喚いているはずなのに、何故かキョウスケ相手にはそう思えない。


キョウスケはあたしよりも戒との付き合いが長いし、苦楽をともにしてきた仲だ。いいことも悪いこともいっぱい知ってるだろうし、何よりも戒が血の分けた兄弟よりもなついてる。


しかも何故かお似合いだし!!





でも……ごめん…



心の中で詫びていると、






「はぁ!?」






とキョウスケの素っ頓狂な声が聞こえて、あたしはそれにびっくりした。


こいつのこんな取り乱してる(?)ところ初めて見たかも。



え……?違うの??



あたしはキョトンとしてキョウスケを真正面から見据えた。


キョウスケは慌てて口に手を当てると、


「いえ…失礼しました」と言って口ごもった。


「いや…いいケド…違ったの??」


「違いますよ。俺はそっちの趣味もなければ、戒さんに幼馴染以外の感情を抱いたこともありませんよ」


戒さんて、ありえへんし…


たとえそっちの趣味でも人を選びますよ。


なんて口の中でぶつぶつ呟きやきながらも、その表情は真剣だった。


ちょっと迷惑そうでもある。








「大体俺、好きな子いるんで」








次にキョウスケが顔を上げたときは、妙に真剣で、その視線はまっすぐだった。





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