軽業師は新撰組隊士!




「そうか…。」


「うん。あのね、お父さん。」


「ん?」


「ありがとう。本当に。」



楓は微笑みながら、克にそう言った。

克も微笑みながら言う。


「我は礼を言われることなどしておらん。」


「うん。それでも、ありがとう。」



生き返らせてくれた。
この時代につれてきてくれた。

なにより―――いつも見守ってくれていた。


(ありがとう…お父さん。)


心の中でもう一度、お礼を言って、楓は部屋から出ようと立ち上がると



「すぅぐるくぅん!何故だ!何故遊びにきてくれないんだぁあ!」


「えっ!ぇえ!?こ、近藤さん!?」


「うわっ、寄るでない!我に寄るでないぞ!」



近藤が大泣きしながら、部屋に入ってきた。



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