軽業師は新撰組隊士!


手入れが終わった刀を鞘におさめる。


「私、待つしかできない?」

「うむ。」

「なら、待ってる。」


できないものはできない。
できるものはできる。

今、できることは待ってることだから、待ってる。


「それが良いじゃろうな。」

「うん。それに…土方さんだもん。きっと、なんとかしてくれる。」


その言葉を聞いた克は、気の抜けたような声を出す。


「ふーっ。絶大な信頼じゃな、お主等は。」

「うん!」

「ふん、……惚れとるのか?」

「……。え?」

「惚れとるのか?」


再度聞かれ、楓はようやく質問の意味を理解した。


「え、えぇええ!ほ、惚れ…惚れ、惚れた!?」

「なっ、なんじゃ、そこまで驚くことかの!?」


叫び声にびっくりした克。




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