軽業師は新撰組隊士!



しかし、



「沖田さん、楓さんが女だって最初から気付いていたでしょう?貴方は洞察力が鋭い。むしろ気付くべきことだ。」


山崎がそう言うと、土方も楓もうんうんと頷いた。

女だと気付かれていることなど、分かっていた。



すると、沖田はハハッと笑う。


「だって、ずっと男で通すつもりなら、僕らの敵でしょう?でも、隠すそぶりもなかったから今は敵ではないですね。」


その笑みは冷たく
その言葉は疑いを表す。


“今は”敵ではない。
だが、これからはどうなるか分からない。



そんな意味が込められていることは、容易に分かった。





< 31 / 250 >

この作品をシェア

pagetop