軽業師は新撰組隊士!



土方は慣れているのだろう。

すべて受け流して答えていた。



「左之。挨拶はキチンとだ。新八、コイツは男の格好をしてるが女だ。それに平助。朝から酒飲むな。」


三人はいつもこんな感じで土方に接しているのだろうと、ありありと分かった。



「へぇー。女、ねぇ。まあヨロシク。」


原田が気軽に、ニッコリと笑って言った。



「あ、えっと、申し遅れました。柴田楓といいます。よろしくお願いします。」


楓は、頭を下げて挨拶をした。

すると、藤堂が口を開く。


「んー、結構キチンとしてんだね。まぁ、なんか副長のお気に入りって噂だし?適当によろしく。」


「……お気に入り?」



楓がその単語に疑問を持つと
ゴンッという音がした。


楓が音がした方向を見ると



「いぃってぇ…!」


「余計なこと言うな。」



どうやら、土方が藤堂に拳骨をくらわせたらしい。




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