軽業師は新撰組隊士!



「楓さん、言ってましたよね。『逃げ出した。』って。」


「はい。」



だんだん人通りは少なくなる。

しかし、沖田はさらにさらに歩む。



「新撰組は……あなたが逃げ出してきた場所よりも、辛い場所です。土方さんが認めても、僕は認めません。」


「……。」


「人を殺し、それに耐えなければなりません。」


「…はい。」



そして、薄暗い細道に入ったとき、チャキッという金属音と共に、首に冷たいものが当てられる。



「生半可な覚悟なら今すぐ、去ってください。」


そのときの沖田の表情に、いつもの笑顔はなかった。





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