青い春と風の中で
女教師の始まり
《…トントントン、とんッッ!》

「――おはようッッ!お母さん♪」

軽やかに階段を降りながら、リビングに居る母を見つけて満面の笑みで朝の挨拶をした。


「…おはよう。今日はいつになく朝から元気じゃないの」

空になった食器を重ねて、母は葵を見つめた。


「今日から私、桜ヶ丘高校の女教師なのよ♪」

おろしたての灰色のストライプのスーツを身にまとい、【どうだッッ!】と言わんばかりに、くるくると舞った。

「ふ……女教師ねぇ?ー葵は童顔だから、どう見たって高校生にしか見えないわよ。精々、生徒さん達になめられないようにしなさいな。」

重ねた食器を持って立ち上がり、嬉しそうにくるくると舞う葵を見て苦笑いすると、ピシャリと釘を差した。


「――相変わらず酷い言い方だなぁ〜…お母さんは…。私、今年で23歳なんだからね!」


「……ボソッ、制服着れば充分、高校生に見えるわよ」


「……う゛ッッ…お母さん、鬼だ。」


むぅ〜…と頬を膨らませる葵を見て、フッと母は微笑んでいた。


――――――
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