青い春と風の中で
―――先程のことを思い出して、ポツリと呟く。


「………はぁ、このままだったら身が保たない」


「――新倉先生、大丈夫ですか?」


廊下で立ち止まり呟くと、いつの間にか篠崎が、心配そうな表情をして新倉の前に立っていた。

「――え、篠崎先生…」


「――中々、新倉先生が職員室から帰って来ないので、心配になって様子を見に行こうとしたんですけど……何だか顔色が悪いですよ」


篠崎の言葉にグッと来た新倉は、「――だ、大丈夫ですよ。いやぁ、篠崎先生を食事に誘おうと思って色々考えていたら、時間を忘れてしまってました」


「…え、私をですか?」


「あ…えと、久しぶりに逢った記念に御馳走したいなぁ…と思ってましてね」


「そうでしたか、いいですよ。……それよりも、もう授業が始まりますから…その話はまた後で…」


「あ、はい……」




――――――
――――


「ケッ……新倉のオヤジ、篠崎先生のことが好きなのか。……よし決めた」


盗み聞きしていた笹川は、呟きながらニヤリとと口元を緩ませた。

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