青い春と風の中で
―――――
【――は、あんたが教師?…全然見えねぇよ…】
「はぁ……」
名もクラスも知らぬ、少年の言葉が頭の片隅で残っていた。
小さなノートパソコンが置かれた机の上で、両手で頭を押さえながら目をつぶっていた。
――赴任初日で、こんな仕打ちを受けるとは思って無かったわぁ。
「――篠崎先生、そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。リラックス、リラックス♪」
気を使ってくれたのか、中年の男性が優しく微笑みながらやって来て、さり気なく目の前に珈琲が置かれた。
「…あ、ありがとうございます…えと」
「僕は、坂上陽一(サカガミ、ヨウイチ)1年B組の副担任です。宜しくね」
「――さ、坂上先生!!…こちらこそ、宜しくお願いします」
慌てて立ち上がり会釈をする葵の仕草に、坂上はクスリと笑みを浮かべる。
「――そんなガチガチだと身が保たないわよ?篠崎センセッッ♪」
今度は、葵の前の席からひょこっと顔を出して、おどけた表情を見せるサラサラのロングヘアで綺麗だが、少々メイクが濃いのが印象的な女性が、葵に話かけてきた。
「――私は、如月未御(キサラギ、ミオン)よ。これでも保健担当なのよ♪…いつもは、保健室に居ることが多いから、何か有ればいつでも声かけてね」
「如月先生、ありがとうございます」
【――は、あんたが教師?…全然見えねぇよ…】
「はぁ……」
名もクラスも知らぬ、少年の言葉が頭の片隅で残っていた。
小さなノートパソコンが置かれた机の上で、両手で頭を押さえながら目をつぶっていた。
――赴任初日で、こんな仕打ちを受けるとは思って無かったわぁ。
「――篠崎先生、そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。リラックス、リラックス♪」
気を使ってくれたのか、中年の男性が優しく微笑みながらやって来て、さり気なく目の前に珈琲が置かれた。
「…あ、ありがとうございます…えと」
「僕は、坂上陽一(サカガミ、ヨウイチ)1年B組の副担任です。宜しくね」
「――さ、坂上先生!!…こちらこそ、宜しくお願いします」
慌てて立ち上がり会釈をする葵の仕草に、坂上はクスリと笑みを浮かべる。
「――そんなガチガチだと身が保たないわよ?篠崎センセッッ♪」
今度は、葵の前の席からひょこっと顔を出して、おどけた表情を見せるサラサラのロングヘアで綺麗だが、少々メイクが濃いのが印象的な女性が、葵に話かけてきた。
「――私は、如月未御(キサラギ、ミオン)よ。これでも保健担当なのよ♪…いつもは、保健室に居ることが多いから、何か有ればいつでも声かけてね」
「如月先生、ありがとうございます」