青い春と風の中で
「…さっき何であんなに深い溜め息ついてたの…??」

「――如月先生…篠崎先生は、初日だから緊張してるんですよ」


「――いえ…そうじゃなくて、、実は…」


――葵は、先程遭った出来事を坂上と如月に丁寧に説明し始めた。。


「まったく、目上の人に失礼な生徒ですね」
坂上は腕組みをして、少しだけ厳しい顔つきになり、ふぅ…と溜め息を吐く。


「…そうだけど、その男の子の言い分も分かる気がするわ…だって篠崎先生って、どちらかと言えば教師らしくないもの」


如月の答えに、葵はシュンと肩を落として落ち込んだ。「――やはり私は、教師に見えないんですね…」


「篠崎先生、大丈夫よ!!童顔で可愛いから逆に生徒から人気でるはずよ♪」

「如月先生…。それ、全然フォローになってませんからッッ」


「はぁ……童顔ですか…」


「すいません、篠崎先生…。如月先生は悪気があって言った訳じゃないですから」

坂上が、申し訳なさそうに応えるのを見て、ハッと我に返った。


「いいえッッ!!こちらこそ、すいませんでした。生徒の言われたことで、イチイチ教師が気にしてたら駄目ですよね…」



ーー葵、しっかりしなくちゃ。


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