青い春と風の中で
「葵さん…」


「……春、私が傍に居るから――。寂しい時は一緒にいてあげる」


そう言うと言葉に応えるように、私の背中に手を回して抱きしめてきた春に胸がキュンとした――愛おしいと心から思った。



「――葵さん、胸小さいんだね。」


私の胸に顔をうずめて、ボソッと呟いた声にバシッと頭を叩いて毒づいた。


「小さくて悪かったわね!」


「――いて……。」




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