好きな人はスカウトマン。
「あたしね〜、キャバの仕事でちょっと稼いでたし〜、彼を助けてあげようと思って、ホストクラブに行って彼を指名してあげてるの〜」



「そうなんだ……」


由佳は、典型的なホスト依存者になっていた。


「でもお金も限られてるし〜、もう通えないよ、って彼に言ったらすごく怒っちゃって」


「うん……」


「それで、この体のアザだよ〜。殴られちゃってね」


由佳は腕をまくり、アザの部分をさすった。


「腕よりもね〜、背中の方が酷いんだよ」


無理に笑顔を作って話す由佳が痛々しくて、見ていられなかった。
< 58 / 69 >

この作品をシェア

pagetop