好きな人はスカウトマン。
「そ、それで?」


ホストという言葉に、あたしは少し戸惑ってしまった。

ホストなんて、自分とは掛け離れた世界の人だと思ってたから……。

ますます、由佳を遠く感じてしまった。



「彼ね〜、入店してまだ半年なのに、もうナンバーワンなんだよ〜」


それからしばらく、いかに彼が素晴らしいかという話が続いた。
あたしは黙って聞いてあげていた。



「それでね〜、今月あんまり調子良くなかったみたいで〜、売上が悪いらしくて〜、このままじゃナンバー外されちゃうんだって〜」



「え、まさか……」
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