AKIRA

 だから、俺に優しかったのも、何でも教えてくれるのも、指切りも……アキラの中では、俺らは……男同志だったからだ。

 今日は全然、練習って気分じゃねぇ。

「おいっ!」

 アキラが、初めて俺に怒鳴った。

「お前、やる気あんのかよ」

 ある訳ねぇだろ、誰のせいだよ、バカヤロ―。

「お前、今日、おかしいぞ?」

 言いながら、アキラが近付いてくる。

「熱でもあんのか?」

 額に、アキラの掌が当たる。



――やっぱ、熱い。でも――……。



「……んな……」

「は?」

「触わんなって言ってんだよっ!」

 俺は思い切り、アキラの手を振り払った。

「アキ……なに、どうした急に?」

 俺が女だって知らなかったから優しかっただけなんだ。俺が、俺が……。

 この気持ちどうしてくれんだよ!

「やる気、ない」

 俺が俯いて、そう呟くと、アキラは少しため息を落とした。

「そっか、じゃぁ今日は仕方ねぇな、明日にするか?」

 何でそんなに優しいんだよ、俺、さっきお前の手、振り払ったんだぞ。それに、お前、女の子泣かしたんだぞ。



「明日も、無理」

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