Яё:set
なんの魅力もない現実で、淡々とただ生きているだけの毎日。
そんな私に手を差し伸べてくれたのがレイジだった。
彼と知り合ってからの毎日は楽しかった。
ネットだけの付き合いなのに馬鹿馬鹿しいと言われるかもしれない。
だけどいつしか、たったそれだけの事が私には支えになってた。
私はレイジに救われたのだ。
だから私は…
「私はあなたを死なせない!!」
私は彼を突き飛ばすと同時に願った。
…どうか…どうか彼を安全な場所へ…!
最期に見たレイの顔は驚いたような表情をしていた。
何かを言っていたけど、空間が歪み彼の姿が消えた。
…ちゃんと安全な場所に行っただろうか…?
そう考えていると背中に衝撃を感じた。
…えっ…?
何が起こったか理解出来なかった。
ただ身体が動かない。
お腹の辺りに違和感を感じて手を当てると生暖かい感触…。
ゆっくりと手元に視線を落とし、それが自分の血である事に気付いた。
…ああ…私殺られたんだ…。
薄れ行く意識の中で、ロードすればよかったな…と思った。
でも、それが手遅れだと理解する前に私は息絶えた…。