Яё:set
そして顔を近付け私の顔を覗き込む。
彼があまりにも整った顔立ちだから、ドキッとした。
きっと私の顔は真っ赤に違いない。
「…フウカ…大丈夫か?」
「な…何が!?」
「いつもと様子が違う。…僕の事判る?」
「えっ!?…だ、誰だっけ?」
「ひ…酷い…!幼なじみの“サイ”じゃないか!?」
あーそうなんだと思いつつ、「冗談よ」と誤魔化した。
この幼なじみは私に対してかなりの過保護らしく、いちいち世話を焼きたがるサイを制して長老の屋敷に向かう。
長老と聞いてシワシワの老人を想像していたが、私には意外と若く見えた。
「…遅かったな…」
「…すみません…お呼びですか?」
「うむ。…実はお前に頼みがあってな…」
「私に?…何でしょう…?」
警戒が顔に出ていたのか、長老は私を見て「そう構えるな」と笑った。
「実は御神木様からの声を聞いてな…」
“どういう事か”と聞くのはやはりタブーだろうか…?
私はただ長老が話の先を言うのを待った。