夏の記憶
その後のやり取りは忘れてしまったけど、
なんだかそんなような言い合いが続いて、たしかそうこうしているうちに親がわたしたちを迎えに来た。

そしてわたしたちはいつものように【おこんじょさま】のお社に手を合わせて、ふてくされたまま家に帰った。



それから10年経ったあの夏も、
わたしたちはこんな感じのくだらない意地の張り合いをよくしていた。



だからその日だっていつもと変わらない夏の日だった。

だけどわたしは、タケルの言った


【こんじょうのわかれ】



というフレーズがいつまでも頭の片隅に残っていた。



といっても、それは記憶の奥の奥にしまいこまれいて、
わたしがあの日、社の戸をあけてしまうまでは、ずっと忘れていたことだったのだけど。

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