夢幻-ゆめまぼろし-
「両親が共にピアニスト。
自分もジュニアコンクール入賞
…でしょ?」
「なんで知ってるんですか…」
「俺は君のお父さんが
弾いているノクターンが
大好きだったから。」
「…。」
私もお父さんの弾く
ノクターンは大好きだった。
小さい頃から
よく聴いていたから
それを目標に
一生懸命練習した。
「穂乃ちゃん。
ピアノ、嫌いなの…?」
「はい。
嫌いです。
ピアノは私を苦しめるから。」
私はピアノを見る。
苦しかったこの3年間。
思うように上達できなくて
両親の言うとおりに弾けない。
どんなに頑張っても
ピアノは私に
応えてくれない。
なにもかもが
上手くいかない。
結局私には
才能っていうのが無かった。