私の秘メゴト (仮)
それに気づいたのか
「クス…僕はさっきのような男達じゃないよ?
…第一、女だしね。」
と耳元でそう言った。
…女?…え?
『え?』
彼は、彼女は笑って、また、耳元で
「この事はキミと僕だけのヒミツ。いい?あ、でも僕忘れやすいからすぐ忘れるかも。キミのことも。」
彼女は優しく笑って言った。
『っ!!』
黙っていてくれるの?私が傷つかないように、平気でいられるように、貴女は忘れてくれるの?
そう思うとブワッと目元が熱くなった。
「泣かないで。泣いているキミより笑っている方が僕は好きだな。」
そう言われ、私は涙をグッと堪えて笑った。
『ありがとう』
彼女はキレイに笑って
「そう、そっちの方が魅力的だよ。じゃあね、お嬢サン。
また、どこかで。」
最後の小さな声を私は聞き逃さなかった。
……………
「お嬢様っ!!見つけましたよ!!」
『ん?あ、佐崎。やっほー♪』
私は執事の佐崎に手を振る。
「今までどこ行ってたんですか!!こんな夜中に邸をでてはなりませんとあれ程申しましたでしょうが!!それを貴女は!!!!」
『あーはいはい。分かったからー。』
「またそんな物言いを!!」