Love Box:)







***



――事の発端は横田さん


私はデパートの受付OLという、定番職についたわけで。

横田さんはそこの上司、だ。




「お前、東都大だったっけ?」

『…え?あぁ、はい』

「俺もなんだよねー」

『そ、うなんですか?!知りませんでした』


横田さんと向かい合って言葉を交わす飲み会の席。

私の驚いたような反応に、片眉をさげた横田さんは苦笑。




「だよなぁー!だって、俺、いつもアイツと居たかんなー」


横田さんはどこか大袈裟に開き直るように、生ジョッキを一気飲み。




『…アイツ?』

「井上 達矢。知ってんでしょ、どうせ」


プハーッ、と旨そうな吐息をはいて、横田さんは私をみた。



(…井上、先輩)



知らないわけ、ないじゃん。




『は、はい。有名、でしたもんね』


誤魔化すように左下に視線を逸らして、相槌を打つ。

頬の赤みはお酒のせいに、しよう。




「あいつの横に居たら、誰も俺のことなんてミネーヨ」


知らないわけ、ない。



(…だってずっと。24になった今だって、)





―――スキ、だから















< 10 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop